便秘は誰にでもある程度起こりうる症状ですが、長引いたり悪化したりすると心配な兆候かもしれません。このブログでは、便秘の症状、原因、対処法について詳しく解説するとともに、いつ頃病院を受診する必要があるかについても触れています。便秘に悩む方は、この情報を参考にしてみてはいかがでしょうか。
1. 便秘の症状とは？
便秘は排便が困難な状態を指します。便秘の症状は個人によって異なるものの、以下に一般的な症状をまとめました。
便の排出が難しい
便秘の主な症状は、便の排出が困難なことです。便が固くなってしまい、排便時に苦痛を感じたり、力を必要とする場合があります。
排便回数が減る
便秘では通常の排便回数が少なくなります。１日に１回またはそれ以下の回数しか排便しないことがあります。
便の形状・質が変化する
便秘では便の形状や質が変化することがあります。便が乾燥し、硬くなったり、小さな塊になったりすることがあります。また、便の色や臭いが変わることもあります。
腹部の膨満感や不快感
便秘によって、腹部に膨満感や不快感を感じることがあります。腹部が張っているような感覚や締め付けられる感じが続くこともあります。
その他の症状
便秘には以下のような症状が現れることがあります。
- おならが出にくい
- 腹痛や下腹部の不快感
- 便が出たと感じても、まだ排便感が残る
- 全身のだるさや疲労感
便秘の症状は人によって異なりますが、これらの症状が続く場合は早めの対処が必要です。
2. 便秘の原因と種類
便秘には、機能性便秘と器質性便秘という2つの主要な種類があります。
機能性便秘
機能性便秘とは、一般的な便秘のことです。このタイプの便秘では、腸の運動機能が低下し、便を押し出す力が弱まっている「弛緩性便秘」や、ストレスによって腸の神経の動きが鈍くなり、排便力が低下する「痙攣性便秘」、さらには直腸や肛門付近に問題があり、排便が行われない「直腸性便秘」という3つのタイプがあります。
- 弛緩性便秘：腸の運動機能が低下し、便を押し出す力が弱まるタイプ。
- 痙攣性便秘：ストレスによって腸の神経の動きが鈍くなり、排便力が低下するタイプ。
- 直腸性便秘：直腸や肛門付近に問題があり、排便が行われないタイプ。
器質性便秘
器質性便秘は、便秘の中でも特に注意が必要なタイプです。なぜなら、便秘は他の病気の症状である可能性があるからです。腸の中で炎症が起こっている場合や腸が閉塞している場合などが考えられます。特に注意が必要なのは、大腸がんの可能性があることです。便秘は大腸がんの代表的な症状の一つであり、症状が重篤な場合は早めに医療機関を受診する必要があります。
便秘の原因は、生活習慣やストレス、食生活の変化などが大きく影響しています。特に機能性便秘は生活習慣の改善によって改善・予防が期待できます。具体的には、以下の対策が便秘の改善に役立ちます。
- 食事改善：食物繊維を多く摂取し、水分補給をしっかり行うこと。
- 適度な運動：定期的な運動や日常的な身体活動を取り入れること。
- 薬物療法：医師の指導のもとで薬物を使用すること。
しかし、便秘は大腸がんや他の病気のサインである可能性もあるため、症状が深刻な場合や他の症状がある場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
便秘の原因と種類を理解することで、適切な対処法を見つけることができます。生活習慣の改善や医療機関での診断・治療を通じて、便秘の改善と予防に取り組みましょう。
3. 便秘の症状別の対処法
便秘の症状は人によって異なるため、それぞれの症状に合った対処法を見つけることが重要です。以下に、さまざまな症状別の便秘対処法をご紹介します。
便が硬い・便の手前の部分だけが硬い症状
- 水分摂取: 毎日の水分摂取量を増やしましょう。水分不足が便を硬くする原因となるため、1日に1.5〜2リットルの水分を摂取することが推奨されています。
- 食物繊維摂取: 食物繊維は便を柔らかくし、腸の働きを促進する役割があります。野菜や果物、穀物などの食品に豊富に含まれているので、バランスの取れた食事を心掛けましょう。
- 軽い運動: 適度な運動は腸の蠕動運動を活発にし、便の通りをスムーズにする効果があります。ウォーキングやストレッチなど、日常的に取り組める程度の運動を取り入れてみましょう。
コロコロした便が出る症状
- 食事の均一化: 食事の栄養バランスを整え、規則正しい食事を心掛けましょう。時間帯や食事内容を安定させることで、便の状態も安定させることができます。
- 適度な水分摂取: 水分摂取量は便の水分量に影響するため、毎日の水分摂取を意識しましょう。特に食事と一緒に水を摂ると、食物の消化を助ける効果があります。
- 肛門周囲のマッサージ: コロコロとした便を出すためには、肛門周囲の筋肉をリラックスさせることが重要です。マッサージや温湿布などで、肛門周囲の緊張をほぐしてみましょう。
強くいきまないと便が出ない症状
- 食物繊維摂取: 食物繊維には腸を刺激して便の排出を促す効果があります。野菜や果物、穀物などをバランスよく摂取することで、腸の働きをサポートしましょう。
- 適度な運動: 運動不足が便の排出を困難にすることがあります。適度な運動を取り入れることで腸の蠕動運動を活発にし、便の通りをスムーズにすることができます。
- 無理にいかないこと: 便意を感じたら無理にいかず、リラックスした状態で排便を行いましょう。強くいくことで肛門周囲の筋肉が緊張し、逆に便の排出を妨げることがあります。
排便後にすっきりしない症状
- 栄養バランスの整った食事: 食事の栄養バランスが乱れていると、腸の働きも低下してしまいます。バランスの取れた食事を心掛けることで、便通の改善が期待できます。
- 水分摂取: 水分不足は便の水分量を減少させてしまうため、十分な水分摂取を心掛けましょう。特に食事と一緒に水を摂ることで、消化をスムーズにすることができます。
- 腸を刺激する運動: 運動によって腸の蠕動運動を活発化させることで、便通の改善が期待できます。ウォーキングやジョギングなど、日常的に取り組める程度の運動を行いましょう。
以上の便秘症状に対する対処法を参考にして、自分に合った方法を試してみてください。しかし、症状が続く場合や他の不調を感じる場合は、医師に相談することをおすすめします。
4. 病院受診のタイミング
便秘の症状が長引いたり、悪化したりしている場合は、医療機関を受診する必要があります。
病院で受診が必要なケース
以下の症状がある場合は、緊急性があるため、即座に受診する必要があります。
- 突然の激しい腹痛や冷や汗を伴い、意識がはっきりしない、ふらつくなどの緊急性のある症状
- 便秘の症状が長期間続いている場合や悪化した場合
早めに病院を受診するべき症状
便秘の症状が以下のような場合は、早めに医療機関を受診するべきです。
- 便が4日以上出ていない
- いきんでも便が出にくくなっている
- 排便しても、まだ残っているような残便感がある
- 満腹感が治まらない
- 頻繁な腹痛がある
- 生活習慣の見直しにもかかわらず便秘が改善しない
- 便が硬く、小さくコロコロした形状をしている
- 時々下痢になることがある
- 嘔吐や食欲の低下がある
- 便に血が混じっている
上記の症状が1つでも当てはまる場合は、他の病気が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
注意：慢性的な便秘を放置すると、他の病気や吐き気、嘔吐、肌荒れなどの問題が引き起こされる可能性があるため、放置せずに受診しましょう。
どの科に受診するべきか
便秘の診療科は、以下の科があります。便秘やお腹の不調を抱えている場合は、これらの診療科を受診することをおすすめします。
- 一般内科
- 消化器内科
- 胃腸科
- 肛門科
おうちでの受診もおすすめです！
忙しい方や病院へ行くのが困難な場合は、オンライン診療の利用を検討してみましょう。自宅にいながら便秘の専門医の診察を受けることができます。さらに、自宅の近くの薬局でお薬を手に入れることも可能です。待ち時間も少なく、忙しい方にも便利です。
慢性的な便秘に悩んでいる方は、一人で悩まずに医療機関に相談しましょう。受診のタイミングを見極め、適切な診療科を受診しましょう。
5. 便秘が隠れた病気のサイン
便秘は単なる症状だけでなく、他の潜在的な病気が隠れている可能性もあります。自己判断は難しいため、早期の医師受診が非常に重要です。以下では、便秘が関連付けられる可能性のある病気とその特徴について紹介します。
大腸がん・直腸がん
大腸や直腸の通り道にがんが発生すると、便の通過がスムーズでなくなります。以下は大腸がんや直腸がんの兆候と考えられる症状です:
– 血便（血が混じった便）：潰瘍性大腸炎なども考えられます。
– 下痢：腫瘍により腸が狭くなると、便が水っぽくなります。
– 腹痛：便秘と共に腹痛がある場合、がんの可能性も疑われます。
– タール状の便：粘着性があり、真っ黒い便。
– 頑固な便秘：腸内の腫瘍が原因で、便が腸を通過しにくくなります。
上記のいずれかの症状が当てはまる場合は、早めに病院を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
子宮筋腫
子宮に良性の腫瘍ができる状態で、20〜30代の若い女性に増加している病気です。がん化することはありませんが、子宮筋腫が直腸に接触する位置に成長すると、直腸を圧迫して便の排出が上手くいかなくなります。
卵巣嚢腫
卵巣内や周囲に良性の腫瘍ができる病気です。腫瘍が大きくなると直腸が圧迫されて腸が狭くなり、便秘が発生します。
もし食事や生活習慣の改善が効果を示さない場合には、婦人科を受診し、子宮筋腫や卵巣嚢腫の検査を受けることをおすすめします。
便秘が引き起こすおしりのトラブル「痔」
便秘によって引き起こされるトラブルの一つに「痔」があります。痔になるといきむことが痛かったり、怖かったりして、便を出すことが困難になります。
便秘が長期化したり症状が悪化したりする場合は、医療機関を早めに受診することが重要です。以下の症状が当てはまる場合は、病気が隠れている可能性があるので、早めに医療機関を受診しましょう:
– 便が4日以上出ていない
– いきんでも便が出にくい
– 排便してもまだ残便感がある
– 満腹感が治まらない
– 頻繁に腹痛がある
– 生活習慣を見直しても便秘が改善しない
– 便が硬く、小さなコロコロとした形状
– 時々下痢になる
– 嘔吐や食欲低下がある
– 便に血が混じっている
上記のいずれかの症状が該当する場合は、病気が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。また、便の色や太さの急な変化や体重や体質に気になる変化がある場合も、病院で相談することが重要です。
便秘で気になる症状がある場合は、胃腸科、消化器内科、内科、肛門科などを受診しましょう。便秘は単なる症状ではなく、大腸がんや子宮筋腫などの深刻な病気の兆候であることもあります。早期の受診で適切な治療を受けるために、積極的に行動しましょう。
まとめ
便秘は生活習慣の改善で対処できることが多いですが、症状が悪化したり他の疾患の徴候がある場合は、早期の受診が重要です。食事改善や運動習慣の見直し、薬物療法など、自分に合った対処法を見つけることが大切です。しかし、便秘が長引いたり他の症状が現れた場合は、大腸がんや子宮筋腫など、深刻な病気の可能性があるため、迷わず医療機関を受診しましょう。適切な診断と治療を受けることで、快適な日常生活を取り戻すことができます。
よくある質問
便秘の主な症状は何ですか？
便秘の主な症状は、便の排出が困難なこと、排便回数の減少、便の形状や質の変化、腹部の膨満感や不快感などが挙げられます。また、おならが出にくい、腹痛や下腹部の不快感、便が出たと感じても残便感が残る、全身のだるさや疲労感などの症状も見られます。
便秘の主な原因と種類は何ですか？
便秘には、腸の運動機能低下などの機能性便秘と、他の病気が原因の器質性便秘の2つの主要な種類があります。機能性便秘には、腸の動きが弱まる弛緩性便秘、ストレスで腸の神経機能が低下する痙攣性便秘、直腸や肛門の問題による直腸性便秘などのタイプがあります。器質性便秘では、大腸がんなどの深刻な病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
便秘の症状に合わせてどのような対処法がありますか？
便秘の症状に合わせた対処法として、水分摂取の増加、食物繊維の摂取、適度な運動の実施などが有効です。具体的には、便が硬い場合は水分と食物繊維の摂取、コロコロした便が出る場合は食事の均一化と肛門周囲のマッサージ、強くいかないと便が出ない場合は食物繊維の摂取と運動などが考えられます。症状が改善しない場合は、医療機関に相談することが重要です。
便秘が隠れた病気のサインになる可能性はありますか？
はい、便秘は単なる症状だけでなく、大腸がんや直腸がん、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの深刻な病気の兆候になる可能性があります。便に血が混ざる、便の色や太さが急に変わる、体重や体質に変化がある場合は、早期の受診が必要です。便秘が長期化したり症状が悪化したりする場合も、病院で適切な診断と治療を受けることが重要です。
