コレステロール値改善のために! 基準値をクリアするための食事・運動術

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コレステロール値が高い方は多くいますが、原因や基準値、生活習慣の改善法などについて正しく理解し、適切に対処することが大切です。このブログでは、コレステロール値が高くなる原因から、コレステロール値を下げる生活習慣の改善方法までを詳しく解説しています。健康的な生活習慣を心がけ、コレステロール値の管理に役立ててください。

目次

1. コレステロール値が高くなる原因

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コレステロール値が高くなる原因はさまざまあります。特に、低密度リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)の増加に影響を与える要素がいくつかあります。以下に、それらの要因を具体的に説明します。

1-1. 食事に含まれる飽和脂肪酸とトランス脂肪酸

食事に含まれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は、LDLコレステロールの上昇につながることが知られています。飽和脂肪酸は、肉やラード、乳製品などに多く含まれています。摂り過ぎるとLDLコレステロールが増える傾向があります。トランス脂肪酸は、マーガリンや加工油脂などの加工食品に多く含まれています。特に、ケーキやスナック菓子などの加工食品には注意が必要です。

1-2. 肥満

肥満は、体内に余分な脂肪が蓄積される状態です。肥満になると、中性脂肪が増え、LDLコレステロールの生成を促進する働きもあります。肥満の基準は、BMI(体格指数)が25以上であり、標準体重を維持することが重要です。

1-3. ホルモンの異常

ホルモンの異常もLDLコレステロールの上昇に関係しています。特に、甲状腺ホルモンの異常はコレステロールの上昇を引き起こすことがあります。甲状腺ホルモンの低下による橋本病などではコレステロールが上昇し、分泌の増加によるバセドウ病などではコレステロールが低下します。また、ストレスや生活習慣の乱れによってもホルモンバランスが崩れ、LDLコレステロールが増加することがあります。

1-4. 遺伝的な要因

LDLコレステロールの上昇は、遺伝的な要因による場合もあります。個人によってLDLコレステロールが増えやすい要因は異なり、遺伝的な影響も考えられます。脂質異常症が家族にある場合、子供もLDLコレステロールが高くなりやすいと言われています。特に、家族性高コレステロール血症(FH)と呼ばれる遺伝性疾患は注意が必要です。LDLコレステロールが180mg/dlを超えると、この疾患の疑いが出てきます。また、心血管病を患っている家族がいる場合はさらに注意が必要です。子供の頃から高コレステロールであり、ホモ接合体と呼ばれる遺伝子異常がある場合は、治療が必要です。

これらの要因によってLDLコレステロールが増加し、コレステロール値が高くなることがあります。コレステロール値を下げるためには、生活習慣の改善や必要な場合の治療が必要です。

2. コレステロールの基準値と目標値

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コレステロールの値が基準から外れた状態を脂質異常症と言います。脂質異常症かどうかを判断する基準値は次のとおりです。

LDLコレステロール

LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれており、肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割をもっています。LDLコレステロールが増えすぎると、血管の弾力性が失われて動脈硬化を起こし、心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などの病気を引き起こす可能性があります。

基準値は「140 mg/dL以上」です。

HDLコレステロール

HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれています。全身にある余分なコレステロールを回収する働きがあります。血管壁に溜まったコレステロールを取り除いて肝臓に戻すため、動脈硬化を予防する作用があります。

基準値は「40 mg/dL未満」とされています。

中性脂肪(トリグリセライド)

中性脂肪は直前の食事の影響を受けますので、空腹時の採血をする必要があります。中性脂肪の値が高い場合、動脈硬化のリスクが高まることがあります。

基準値は「150 mg/dL以上」とされています。

ただし、上記の基準値を超えているからといって、すぐに薬を使った治療が必要になるわけではありません。まずは生活習慣や食生活の見直しを行い、それでも効果がなければ薬物治療が検討されます。コレステロールの値を管理するためには、医師との定期的な相談や検査が重要です。

3. コレステロールを下げる生活習慣の改善

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コレステロールを下げるためには、生活習慣の改善が非常に重要です。以下に、コレステロールを下げるための生活習慣の改善方法をご紹介します。

3.1 食事療法

コレステロールを下げるためには、食事に気をつける必要があります。以下に、食事療法のポイントをご紹介します。

  • 飽和脂肪酸を控える
  • 動物性脂肪や加工食品に多く含まれる飽和脂肪酸は、コレステロールの上昇を促すことがわかっています。それを避けるためには、バターやマーガリンの代わりに植物油を使用し、肉や乳製品の摂取を控えることが重要です。
  • 魚を積極的に摂る
  • オメガ3脂肪酸が多く含まれる魚は、コレステロールを下げる効果があります。特に青魚(サケ、マグロ、サバなど)はおすすめです。
  • 食物繊維を摂る
  • 食物繊維はコレステロールの吸収を抑える効果があります。野菜や果物、穀物などをバランスよく摂取しましょう。
  • アルコールの摂取は控える
  • 飲み過ぎはコレステロールの上昇を促すことがわかっています。適度な量に抑えるようにしましょう。

3.2 運動療法

運動することで、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増加し、コレステロールを下げる効果があります。以下に、運動のポイントをご紹介します。

  • 有酸素運動を取り入れる
  • ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、血流を促進し、コレステロールの代謝を促す効果があります。週に3日以上、20分程度の運動を行うことがおすすめです。
  • 筋力トレーニングも行う
  • 筋力トレーニングは筋肉量を増やし、基礎代謝を上げる効果があります。無理なく続けることが大切です。

3.3 禁煙・ストレス・疲れをためない

禁煙やストレスの軽減、疲れをためないこともコレステロールを下げるためには重要です。以下に、具体的なポイントをご紹介します。

  • タバコをやめる
  • タバコに含まれる一酸化酸素は、中性脂肪やコレステロールの上昇を促すことが知られています。禁煙することでコレステロール値の改善が期待できます。
  • ストレスを軽減する
  • ストレスはコレステロールの上昇を促進する要因となります。適度な運動やリラックス法を取り入れ、ストレスを軽減しましょう。
  • 睡眠と休養を大切にする
  • 睡眠不足や疲労は、コレステロールの上昇につながる可能性があります。十分な睡眠と休養をとるように心がけましょう。

3.4 適正体重の維持

体重の増加はコレステロールの上昇につながるため、適正な体重の維持も重要です。以下に、体重管理のポイントをご紹介します。

  • 適正な体重を目指す
  • 身長や年齢に合わせた適正な体重を目標にしましょう。1kgの体重減少によって、総コレステロールが約10mg/dL減少すると言われています。
  • 健康的な食事と運動を組み合わせる
  • 食事制限だけでなく、適度な運動も取り入れることで、体重の維持がより効果的になります。

生活習慣の改善によって、コレステロールを下げることができる場合もあります。ただし、個人の状態や脂質異常症の原因によっては、薬物治療が必要な場合もあります。まずは生活習慣の改善を試み、検査結果や医師の指示に従い、適切な治療を行いましょう。

4. コレステロールを下げる薬の種類

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コレステロールを下げるための薬には、いくつかの種類があります。それぞれの薬の特徴を以下に説明します。

4.1 スタチン系製剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)

スタチン系製剤は、血液中のLDLコレステロールを減少させるために使用される薬です。これらの薬はHMG-CoA還元酵素を阻害し、コレステロールの生産を抑えます。主にLDLコレステロールを低下させ、動脈硬化の予防にも役立ちます。

以下は代表的なスタチン系製剤の薬です。

  • クレストール(ロスバスタチン)
  • リバロ(ピタバスタチン)
  • メバロチン(プラバスタチンナトリウム)
  • リポバス(シンバスタチン)
  • ローコール(フルバスタチンナトリウム)
  • リピトール(アトルバスタチン)

スタチン系製剤の副作用としては、横紋筋融解症や胃腸症状、肝障害などが報告されています。適切な用法・用量の指示を守り、医師や薬剤師の指導を受けながら服用することが重要です。

4.2 陰イオン交換樹脂(レジン)製剤

陰イオン交換樹脂(レジン)製剤は、胆汁酸と結合してコレステロールの排出を促進する薬です。これらの薬は胆汁酸の再吸収を阻害し、体外への排泄を促します。スタチン系製剤と併用することで相乗効果が期待できます。

陰イオン交換樹脂製剤の代表的な薬には、コレバインやクエストランがあります。副作用は比較的少なく、便秘や腹部膨満感、皮膚症状などが報告されています。ただし、脂溶性ビタミンや葉酸の吸収を阻害する場合があるため、注意が必要です。

4.3 小腸コレステロールトランスポーター阻害剤

小腸コレステロールトランスポーター阻害剤は、コレステロールの吸収を抑制するために使用される薬です。この薬は小腸でコレステロールを吸収する過程を阻害することで、コレステロール値を下げます。一般的にはスタチン系製剤と併用され、効果的な結果を得ることができます。

代表的な小腸コレステロールトランスポーター阻害剤の薬はゼチーアです。副作用としては、便秘や横紋筋融解症などが報告されています。また、他の薬との相互作用にも注意が必要です。

これらの薬は、コレステロール値を下げる効果がありますが、適切な用法・用量の指示を守り、定期的な検査や病院への通院を行うことが重要です。副作用や注意点については、医師や薬剤師の指導を受けながら服用するようにしましょう。

5. 薬の選び方と注意点

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薬物療法の選択には、いくつかの要素を考慮する必要があります。以下では、薬の選び方と注意点について詳しく説明します。

5-1. 医師や薬剤師との相談

薬を選ぶ際には、必ず医師や薬剤師に相談してください。専門家の意見を仰ぐことで、個々の患者の状態に合わせた最適な薬剤を選ぶことが重要です。

5-2. 薬剤の成分と適応症

薬剤の成分や適応症を理解することも重要です。薬には異なる成分や作用機序がありますので、自身の症状に適した薬剤を選ぶことが必要です。

5-3. 副作用と注意事項

薬の副作用や注意事項にも留意する必要があります。重篤な副作用もあるため、出来る限り副作用のリスクを最小限に抑える薬剤を選ぶようにしましょう。また、薬の服用方法や禁忌事項を確認することも重要です。

5-4. 先発薬剤と後発薬剤の選択

薬の選択肢として、先発薬剤と後発薬剤があります。これらは成分は同じですが、添加物が異なることがあります。自身に合う薬剤を選ぶためにも、医師や薬剤師と相談しながら適切な薬剤を選びましょう。

5-5. 薬物治療の継続

薬物治療は継続する必要があります。薬を正確に医師の指示通りに服用することが重要です。副作用や投与量の変更がある場合もありますので、定期的に医師の診察を受けながら、薬物治療を継続してください。

以上が、薬の選び方と注意点に関する基本的な情報です。薬物療法は脂質異常症の治療において重要な役割を果たしますが、薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善も同様に重要です。医師や薬剤師と協力しながら、適切な薬物治療を行ってください。

まとめ

コレステロールの管理は健康維持のために重要です。飽和脂肪酸の控えめな摂取、定期的な運動、適正体重の維持など、生活習慣の改善が第一歩です。それでもなお、コレステロール値が高い場合は、医師の指示に従い適切な薬物療法を行うことが必要です。医師や薬剤師と相談しながら、安全で効果的な治療を受けることが大切です。コレステロール管理は長期的な取り組みが求められますが、健康的な生活習慣を続けることで、心血管疾患のリスクを低減することができます。

よくある質問

コレステロール値が高くなる主な原因は何ですか?

コレステロール値が高くなる主な原因は、食事に含まれる飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取、肥満、ホルモンの異常、遺伝的要因などさまざまな要因が考えられます。これらの要因によってLDLコレステロールの増加を引き起こし、コレステロール値の上昇につながります。

コレステロールの基準値と目標値はどのように定められていますか?

コレステロールの基準値は、LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満、中性脂肪が150mg/dL以上となっています。ただし、この基準値を超えていても直ちに治療を開始するわけではなく、まずは生活習慣の改善が重要です。

コレステロールを下げるためにはどのような生活習慣の改善が必要ですか?

コレステロールを下げるためには、飽和脂肪酸の控えめな摂取、魚の積極的な摂取、食物繊維の摂取、適度な運動、禁煙、ストレス管理、適正体重の維持などの生活習慣の改善が重要です。これらの取り組みによってコレステロール値を下げることができます。

コレステロールを下げるためには薬物治療が必要になることもありますか?

コレステロールを下げるには、生活習慣の改善が第一ですが、それでも効果が不十分な場合には薬物治療が必要となることもあります。スタチン系製剤、陰イオン交換樹脂製剤、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤などの薬剤が使用されますが、適切な用法・用量の指示に従い、医師や薬剤師の指導の下で服用することが重要です。

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